『椿三十郎』(つばきさんじゅうろう)は、1962年(昭和37年)1月1日に東宝が封切り公開した日本映画(時代劇)である。監督は黒澤明。出演:三船敏郎、仲代達矢、加山雄三
白黒、東宝スコープ、96分。前年に公開された映画 『用心棒』の続編的作品とされる。
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Sanjuro (1961) / 椿三十郎のあらすじ
真夜中。森の中の古びた社殿で若侍の一団が密談をしている。正義感に溢れる若侍たちは次席家老・黒藤と国許用人・竹林の汚職を告発しようとしていた。若侍のリーダー格である井坂(加山雄三)は、汚職事件に関する意見書を、叔父でもある城代家老睦田(伊藤雄之助)に届けたものの破り捨てられた顛末を明かし、一同は落胆する。だが井坂の話によれば、大目付・菊井(清水将夫)は真剣に意見を聞き入れ、同志一堂を集めて会いたい旨を伝えたという。それを知った若侍たちは歓喜に湧く。と、社殿の奥から一人のくたびれた浪人が現れる。若侍の話を全て聞いていたというその浪人(三船敏郎)は、若侍たちが軽んじる城代こそ正義で、大目付はむしろ敵の黒幕であろうと指摘する。半信半疑の若侍たちであったが、間もなく社殿は菊井の腹心である室戸半兵衛(仲代達矢)率いる兵に包囲される。浪人の指摘こそが事実だったのだ。浪人の機転によって危機を脱した後、浪人は城代の身に危険が及ぶと推理し、若侍らの案内で城代の屋敷へ向かう。
浪人の予想通り、既に城代屋敷は菊井の手に落ち、睦田はどこかに連れ去られていた。菊井らは、一石二鳥として自分たちの汚職を睦田になすりつけようと企んでいた。再び浪人の策により、見張りの隙を突いて睦田の妻と娘を奪還することに成功した若侍たちは、灯台下暗しのことわざどおり黒藤の屋敷の隣にある若侍の一人・寺田の家に潜伏する。黒藤の屋敷は、別名椿屋敷と呼ばれるほど椿が見事だった。睦田の妻から名を問われた浪人は、椿を眺めながら椿三十郎と名乗る。
睦田を助け出せれば菊井らは失脚するとして、若侍たちはまず睦田の監禁場所を特定しようとする。一方で、菊井らも、のらりくらりと要求をかわす睦田に手を焼いており、要求を飲み込ませる人質とするため、連れ去られた彼の妻子の行方を捜そうとする。そこで菊井らは空の駕籠を使って若侍らを誘き出す策を立てる。三十郎は警告を発するが、若侍らはその罠に誘われてしまう。土壇場で罠と悟り、若侍らは三十郎の警告を無視したことに恥じる。
次に三十郎は、社殿の件で室戸に仕官を誘われたことを利用して菊井の懐に潜入し、睦田の居場所を探る策を立てる。ところが、相変わらず三十郎を信用しきれない保川らが室戸と三十郎の尾行を進言したため、室戸らを尾行した仲間が逆に捕まってしまい三十郎の策は破綻する。結局、三十郎は捕虜らを逃がすために一芝居うって室戸の隙を突き、菊井の家来らを皆殺しにして彼らを助け出す。
寺田の家に戻り新たな策を練る一同だったが、椿屋敷から流れてくる小川に、睦田に送った意見書の破片があることに気づく。他ならぬ椿屋敷こそ睦田が監禁されている場所であった。そこで三十郎は若侍たちが町外れの寺に潜伏していると嘘をついて椿屋敷の兵を移動させ、その隙をついて屋敷を襲撃する策を立てる。その際、襲撃の合図として色は何でもいいから大量の椿の花を小川に流すことに決まる。
椿屋敷にやってきた三十郎は計画通り、室戸に若侍らが町外れにいると話し、警備を手薄にさせることに成功する。ところが、肝心の椿の花を流すために赤い花を集めていたところを室戸に見つかって捕まってしまった上に、町外れにいたという嘘がバレてしまう。室戸が派遣した兵を急いで呼び戻しに行っている間、三十郎は菊井らに間もなくこの屋敷は襲撃されると話し、大量の白い椿の花は中止の合図だと嘘を付く。菊井らが急いで流した椿の花を合図に若侍らは屋敷を襲撃し、見事、睦田を救出することに成功する。
後日、睦田は若侍らを集め、感謝の言葉を投げ、事件の顛末として菊井が切腹したこと、黒藤と竹林は家名断絶の処置が下ったことを話す。そこには本来、三十郎もいるはずであったが姿を見せず、間もなく旅立ったことを知って、若侍らは急いで彼の後を追う。町外れで三十郎に追いついたところ、そこには室戸もいた。室戸は三十郎を批難し、決闘を申し出る。若侍らが見守る中、しばらく2人は無言で対峙し、そして三十郎が一瞬の居合抜きで室戸を斬り捨てる。三十郎は室戸を自分と同じ抜身の刀であったと評し、その場を去る。
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